月男が見ている冬の夜空
今夜の満月は綺麗だったよね。「ウサギ」の模様もくっきり見えたしね。
見え方は人それぞれね。私は「越前クラゲ」とか「ユンボ」とかに見えたわ。
外国では、「カニ」とか「女の人の横顔」とかに見えるらしい。
わたし「ドイツの月男」というのも聞いたことがあるわ。なんか怪談みたいで不気味ね。
それは、「Man in the Moon」の事じゃないかな?英語圏やドイツなどヨーロッパ各地で伝わっている昔話で、地球から追放されて月に住むことになった男のことだよ。
月の表面が男の顔や、背中に枝の束を負っている男の姿に見えたりするそうだ。
怪談というよりは、教訓的・寓話的に語られている伝承だね。
月に映るものは誰の姿か
世界には、月の模様をさまざまに見立ててきた伝承があります。
日本人にはおなじみの「餅をつくウサギ」、それに対してヨーロッパでは「人の顔」や「荷を背負った男」に見えると考えてきました。
これがいわゆる "Man in the Moon(マン・イン・ザ・ムーン)" と呼ばれる物語です。
ドイツ語では Mann im Mond(マン・イム・モント) と呼ばれ、英語圏やオランダなどにもよく似た話が伝わっています。
この伝承の中で、とりわけ印象的なのが「安息日に薪や茅を集めていたため、罰として月へ送られてしまった男」の話です。
聖書の一場面をもとに広まったとされ、月に映る模様は、枝の束を背負ったその男の姿とされたのです。
地域によって細かい違いはあるものの、単なる怪談ではなく「してはいけないことを戒める昔話」として人々に語られてきました。
一方で、北欧やゲルマンの神話の中には、月そのものを人格を持つ存在として描いた例もあります。
古ノルド語では月を「Máni(マーニ)」と呼び、太陽と対をなす神格として物語の中で語られてきました。
月に住む男の話と、神話における月の擬人化は別々の系譜に属していますが、そこには共通して「月を人の姿に重ねるまなざし」があります。
遥か昔から、夜空を見上げた人々が、静かに浮かぶ月に人間の面影を探してきたことを思うと、空と人とのつながりの深さにあらためて心を打たれるのです。(亀吉)
出典 :
Internet Sacred Text Archive
https://sacred-texts.com/astro/ml/ml06.htm?utm_source=chatgpt.com
Royal Museums Greenwich (Can you see a 'Man in the Moon'?)
https://www.rmg.co.uk/stories/space-astronomy/what-man-moon?utm_source=chatgpt.com