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ペルセウス座流星群を観賞しよう

2010年8月 7日
ウサギの顔 「3大流星群」のひとつ「ペルセウス座流星群」の最大の見ごろは13日の未明だそうだよ。
アヒルの顔 お月さんが早く沈んでくれるそうだから、よく見れそうね。
あとは、お天気次第ね。
ペルセウス座流星群を観賞する子供たちの画像

ペルセウスを待つ夜

夜、居間で新聞をめくっていたら、小さな記事が目に入った。
「ペルセウス座流星群、今年は8月13日未明が見ごろ」
活字の行間に、夏の夜空がちらりとのぞく。
毎年のように見ようと思いながら、雲に阻まれたり、うっかり寝過ごしたりしてきた。
今年こそは、と心の中でつぶやいた。

外に出てみる。
昼間の熱気がまだ残るアスファルトから、ぬるい匂いが立ちのぼる。
家の前の電柱に取り付けられた街灯が、やや黄色っぽく夜道を照らしている。
空には、カシオペヤの"W"がぼんやりと浮かび、その下にペルセウス座が潜んでいるはずだ。
目を凝らしても形ははっきりしないけれど、そこから流星が四方に飛び出す様子を想像すると、不思議と胸が弾む。

玄関脇の物置から折りたたみ椅子を引っ張り出す。
今夜は試しに座ってみるだけ。
流星群が本格的に現れるのはまだ先だが、空気の具合や視界の開け具合を確かめたかった。
遠くで虫が鳴き、近所の家からは風鈴の涼しげな音が漏れてくる。

流星群は、スイフト・タットル彗星が残した塵の道を、地球が横切るときに見える現象だ。
それは何百年前に宇宙に撒かれた欠片たちで、時速10万キロ以上で突入し、大気で燃え尽きていく。
数字にすると現実的すぎるけれど、実際に目にすればきっと別世界の出来事だと思う。

昔、図書館で読んだ天文の本に、ペルセウスの挿絵が載っていた。
メデューサの首を掲げるその姿は、流星群の矢を放つ弓手のように見えた。
極大の日には、あの英雄の足元から、無数の光がこぼれ落ちるだろう。

今夜は薄雲が広がってきたので、椅子をたたみ、家に入った。
あと6日。
その間に月の形も変わり、空の条件も少しずつ整っていくはずだ。
次の金曜日、明け方まで眠らずに待つことを心に決め、カレンダーの13日に小さく星印をつけた。(亀吉)

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