ハトは数の概念を理解できるのか!?

数に関する能力は、生存競争に有利に働くらしい。


意地汚さではハトよりも上回ると思うけど。

数の概念を理解できる代表的な動物たち
1. チンパンジー
チンパンジーは数の順序を理解し、数字を順番にタッチする作業などをこなすことができます。
京都大学の研究では、数字を瞬時に記憶して正確に並べ替える能力も確認されています(いわゆる「アイちゃん」の研究)。
2. カラス(ハシブトガラスやニューカレドニアガラスなど)
数の量的な違い(例えば、2と3)を区別できます。
数の増減を理解して、食べ物の数を把握しようとする行動も観察されています。
3. イルカ
トレーニングによって、数の指示(例:「2つ持ってきて!」)に反応できます。
数の概念を使った遊びも行うことがあると報告されています。
4. オウム(特にヨウム)
アレックスという有名なヨウムは、「1〜6」までの数字を聞いて理解し、正確に答える能力があったことで知られています。
5. ハト
数字の順序や、数量に応じて行動を変えるように訓練されることがあります。
単純な加減算に近い行動も可能な例があると報告されています。
これらの動物は、「数える」「多い/少ないを比較する」「順序を認識する」といった能力を持ち、それが行動に反映されることが観察されています。
ただし、人間のような抽象的な数の概念(ゼロ、無限、代数など)を理解するまでは至っていません。
ハトの数に関する認知能力は、意外に高度で科学的にも広く研究されています。
以下に、ハトが「数」をどのように認識しているかの具体例を示します。
ハトの数的認知能力
1. 量の比較ができる
ハトは視覚的に「数の多さ」を比較する能力を持っています。たとえば:
3つの点と5つの点の画像を見せたとき、常に「多いほう」を選ぶように訓練すると、かなりの確率で正答できる。
数の概念というより「多い vs. 少ない」の視覚的判断に近いですが、数量の弁別能力の一種です。
2. 数字の順序を学習できる
2005年に発表されたロバート・ギブソンらの研究(University of Otago, New Zealand)では:
ハトに1〜9の数字を順番通りにタッチさせる訓練を行った。
ハトは最終的に数字を正しい順序で選択できるようになり、数の「並び」に関する理解があることが示唆された。
この研究は、「順序的数認識(ordinal number recognition)」という概念で知られています。
3. 簡単な「計算」も可能?
一部の実験では、ハトが単純な「加算・減算的な判断」を行っている可能性が指摘されています:
例:2つの図形と1つの図形を見せた後、選択肢から3つの図形を選ぶことができた。
これは人間の「暗算」とは異なりますが、「変化後の数が正しいか」を選ぶ反応が見られたという点で注目されました。
4. 数と抽象的記号の結びつけ
ハトは、特定の図形や記号と数量を結びつける訓練も可能です。たとえば:
「●が3つある画像」と「数字の『3』」を関連付けて学習できる場合がある。
これは数の「象徴化(symbolic representation)」の初歩とされます。
補足:人間との違い
ハトはあくまで「視覚的に数える」「順番を覚える」といった具体的操作に基づく数の処理をしており、 抽象的な「1という概念」「ゼロの理解」までは到達していません。
参考文献・研究
・Scarf, D., Hayne, H., & Colombo, M. (2011). "Pigeons on par with primates in numerical competence." Science, 334(6063), 1664.
・Emmerton, J., Lohmann, A., & Niemann, J. (1997). "Pigeons' use of numerical and qualitative cues in a 'same-different' task." Journal of Experimental Psychology: Animal Behavior Processes, 23(1), 39-53.
ハトの研究は、「鳥の脳は小さくて単純である」という先入観を覆すもので、現在も神経科学やAI研究などで引用されることがあります。