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ハトは数の概念を理解できるのか!?

2011年12月25日
ウサギの顔 ニュージーランド大の心理学者の研究チームの実験で、ハトがサル並みに数を理解する能力を保有することが発見されたそうだ。
数に関する能力は、生存競争に有利に働くらしい。
アヒルの顔 同じ鳥類のPちゃんPちゃんの顔はどうなのかなあ?
意地汚さではハトよりも上回ると思うけど。
数を理解するハトの画像

数の概念を理解できる代表的な動物たち

1. チンパンジー

チンパンジーは数の順序を理解し、数字を順番にタッチする作業などをこなすことができます。
京都大学の研究では、数字を瞬時に記憶して正確に並べ替える能力も確認されています(いわゆる「アイちゃん」の研究)。

2. カラス(ハシブトガラスやニューカレドニアガラスなど)

数の量的な違い(例えば、2と3)を区別できます。
数の増減を理解して、食べ物の数を把握しようとする行動も観察されています。

3. イルカ

トレーニングによって、数の指示(例:「2つ持ってきて!」)に反応できます。
数の概念を使った遊びも行うことがあると報告されています。

4. オウム(特にヨウム)

アレックスという有名なヨウムは、「1〜6」までの数字を聞いて理解し、正確に答える能力があったことで知られています。

5. ハト

数字の順序や、数量に応じて行動を変えるように訓練されることがあります。
単純な加減算に近い行動も可能な例があると報告されています。

これらの動物は、「数える」「多い/少ないを比較する」「順序を認識する」といった能力を持ち、それが行動に反映されることが観察されています。
ただし、人間のような抽象的な数の概念(ゼロ、無限、代数など)を理解するまでは至っていません。

ハトの数に関する認知能力は、意外に高度で科学的にも広く研究されています。
以下に、ハトが「数」をどのように認識しているかの具体例を示します。

ハトの数的認知能力

1. 量の比較ができる

ハトは視覚的に「数の多さ」を比較する能力を持っています。たとえば:

3つの点と5つの点の画像を見せたとき、常に「多いほう」を選ぶように訓練すると、かなりの確率で正答できる。

数の概念というより「多い vs. 少ない」の視覚的判断に近いですが、数量の弁別能力の一種です。

2. 数字の順序を学習できる

2005年に発表されたロバート・ギブソンらの研究(University of Otago, New Zealand)では:

ハトに1〜9の数字を順番通りにタッチさせる訓練を行った。
ハトは最終的に数字を正しい順序で選択できるようになり、数の「並び」に関する理解があることが示唆された。

この研究は、「順序的数認識(ordinal number recognition)」という概念で知られています。

3. 簡単な「計算」も可能?

一部の実験では、ハトが単純な「加算・減算的な判断」を行っている可能性が指摘されています:

例:2つの図形と1つの図形を見せた後、選択肢から3つの図形を選ぶことができた。

これは人間の「暗算」とは異なりますが、「変化後の数が正しいか」を選ぶ反応が見られたという点で注目されました。

4. 数と抽象的記号の結びつけ

ハトは、特定の図形や記号と数量を結びつける訓練も可能です。たとえば:

「●が3つある画像」と「数字の『3』」を関連付けて学習できる場合がある。

これは数の「象徴化(symbolic representation)」の初歩とされます。

補足:人間との違い

ハトはあくまで「視覚的に数える」「順番を覚える」といった具体的操作に基づく数の処理をしており、 抽象的な「1という概念」「ゼロの理解」までは到達していません。

参考文献・研究

・Scarf, D., Hayne, H., & Colombo, M. (2011). "Pigeons on par with primates in numerical competence." Science, 334(6063), 1664.

・Emmerton, J., Lohmann, A., & Niemann, J. (1997). "Pigeons' use of numerical and qualitative cues in a 'same-different' task." Journal of Experimental Psychology: Animal Behavior Processes, 23(1), 39-53.

ハトの研究は、「鳥の脳は小さくて単純である」という先入観を覆すもので、現在も神経科学やAI研究などで引用されることがあります。

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