女性のメタボ基準 腹囲80センチ以上検討!?

これまで、女性の腹囲は男性より緩いと言われていたよね。


検討された理由と背景
内臓脂肪蓄積との乖離
現行の腹囲基準(男性85cm・女性90cm)は、CTによる内臓脂肪面積が100cm²以上になる値に基づいていますが、女性では皮下脂肪の占める割合が高く、同じ腹囲でも内臓脂肪量に個人差があります。
そのため、腹囲90cm未満でも内臓脂肪面積が基準値を超える例が存在しています。
WHOなど国際基準との整合性
WHOやアジア地域の基準値(女性80cm以上)に比べて、日本の女性基準は高めに設定されており、国際的な整合性を図るべきとの声がありました。
疫学的データとリスクの早期検出
女性では腹囲80cmを超えたあたりから脂質異常・高血圧・糖代謝異常の発症リスクが増加するという研究もあり、80cm台でもリスクを有する例があるため、早期検出・介入の必要性が議論されました。
隠れ肥満・リスク保有者の存在
BMIが25未満でも内臓脂肪が多い"隠れ肥満"では、腹囲が基準未満の場合でも循環器リスクが高いことがあります。
したがって、腹囲測定による保健指導を強化すべき対象が含まれる可能性があります。
女性の腹囲基準が緩めに設定されている理由
女性は皮下脂肪が多く、同じ腹囲でも男性より内臓脂肪量が少ない場合が多い。
BMIでは肥満に該当しなくても、内臓脂肪が多い→リスク高のケースがある。
心血管疾患等のリスクが女性では80cm台から上昇する傾向が示されており、より早い段階での対応が重要とされる。
見直し案の課題
非肥満者への過剰診断・介入リスク
基準引き下げによる保健指導対象の大幅増加
エビデンス蓄積の課題と医療資源配分のバランス
出典 :
厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001reju-att/2r9852000001reom.pdf
糖尿病ネットワーク
https://dm-net.co.jp/calendar/2010/009783.php
日本産業衛生学会
https://www.sanei.or.jp/files/topics/statement/070605aneisoku.pdf