ニホンジカの生息密度の増加で、保護地域のニホンカモシカ減少
2010年5月 6日
紀伊山地の「カモシカ保護地域」での、国の特別天然記念物であるニホンカモシカの生息密度が、全国保護地域でも最低水準に落ち込んだそうだよ。温暖化などの影響で、本来寒さに弱いニホンジカが保護地域で増加してしまって、ニホンカモシカがエサ不足に陥っているのが原因らしい。
温暖化がバンビちゃんたちの生存競争に関与しているなら、人間に責任があるってことよね?
ニホンカモシカ
ニホンカモシカとニホンジカの主な違い
名前が似ていますが、生物学的に全く別の動物です。
ニホンカモシカはウシ科(ヤギの仲間)、ニホンジカはシカ科に属します。
分類と基本原理
| 項目 | ニホンカモシカ | ニホンジカ |
| 科 | ウシ科ヤギ亜科カモシカ属 | シカ科シカ属 |
| 仲間 | ウシ・ヤギに近い | シカの仲間 |
| 角の有無 | オス・メスともに角がある | オスにだけ角がある |
| 角の形 | 枝分かれせず8〜15cmの短く尖った角 | 枝分かれした角(最大60cm) |
| 角の生え変わり | 一生生え変わらない | 毎年生え変わる(早春に脱落) |
| 体色 | 黒褐色〜灰褐色(年間ほぼ一定) | 赤褐色〜茶褐色(子鹿には白い斑点) |
| 尻の特徴 | 短い尻尾 | 白いお尻が特徴 |
| 頭胴長 | 約130cm | 110〜170cm |
| 体重 | 30〜40kg | 40〜100kg |
| 性格 | 単独行動で比較的おとなしい | 群れで行動し警戒心が強い |
| 縄張り | 1頭ずつ縄張りを持つ | 縄張りを作らず群れで移動 |
| 食性 | 反芻する(ウシ同様) | 反芻する |
| 食の良い選び方 | 木の葉や芽を選んで食べる | 草や低木を広範囲に大量に食べる |
| 保全状況 | 国の特別天然記念物 | 保護対象だが別扱い |
| 生息地 | 本州・四国の山地 | 日本全国(平地〜山地) |
見分け方のポイント
角:オス・メス両方に角があればカモシカ、オスだけならシカ
白いお尻:白いお尻があればシカ、なければカモシカ
体色:黒っぽいならカモシカ、茶色ならシカ
行動:単独ならカモシカ、群れならシカ
ニホンカモシカは「カモシカ」という名前ですが、英語では「Japanese serow(セロー)」といいます。一方シカは英語で deer です。
カモシカ属は世界に3種しかいません。ニホンカモシカ、タイワンカモシカ、スマトラカモシカです。
ニホンカモシカは日本に自然分布する唯一のウシ科動物であり、生きた化石とも呼ばれる貴重な特別天然記念物です。