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真夏の流星群を観賞

2011年7月28日
ウサギの顔 7月29日にピークになる「みずがめ座デルタ流星群」を皮切りに「やぎ座アルファ流星群」「みずがめ座イオタ流星群」「ペルセウス座流星群」「はくちょう座流星群」など、夏休みは流星群で楽しめるよ。
まずは、新月となる7月31日に、夜空を見上げてみよう!!
アヒルの顔 首が疲れちゃたわ。
流星群を眺めるアヒルのイラスト画像

真夏の流星群~水と風と光の記憶

夜が、静かに深まっていく。

新月の夜。月の輪郭さえ消えた空は、墨を流したように濃く、風の音さえ吸い込んでしまうほど静かだ。
空気はぬるく、草の匂いが濃く、遠くの山々は黒い影となって沈黙している。

その闇の中で、星々はひときわ鋭く瞬いている。
流星が、音もなく空を裂く。
ひとすじの光が、宇宙の奥から届くように、ゆっくりと、しかし確かに、夜空を滑っていく。

池のほとりでは、水面が風に揺れている。
波紋は小さく、星の光を歪ませながら、過去の記憶のように広がっていく。
そこに、ひとつの影がある。
アヒルが、小屋から出て、羽根をたたみながら空を見上げている。

彼女は、何も語らない。
ただ、風と水と光のあいだに身を置いている。

ある流星は、過去の痛みを連れてくる。
ある流星は、未来の希望を運んでくる。
そしてある流星は、ただ「今ここにいる」ことの奇跡をそっと囁いてくれる。

夜露が草を濡らし、虫の声が遠くで響く。
風は、羽根の隙間を通り抜け、彼女の体温と混ざり合う。
そのすべてが、ひとつの静かな祈りのように、夜空へと溶けていく。

星々は、言葉を持たない。
けれど、確かに何かを伝えている。
それは、目に見えないけれど、触れることのできるもの。
水面に映る星の揺らぎ。
風に乗る光の粒。
羽根に触れる夜の気配。

この夜、世界はひとつの呼吸をしている。
空と地と水と命が、同じリズムで鼓動している。
流星は、その拍動の中で生まれ、消えていく。

アヒルは、ただそこにいる。
誰かのために願うでもなく、自分のために祈るでもなく。
ただ、存在することの美しさを、静かに受け止めている。

そして、星がまたひとすじ、夜空を裂く。(亀吉)

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