人間の寿命と細胞分裂の回数
2010年3月13日
どうして動物って人間に比べたら寿命が短いのかしら?
細胞分裂の回数が少ないからじゃない?寿命は、細胞分裂の回数と関係あるんだけど、人間は約50回、ウサギは20回とかだものね。
だけど、大型の亀なんかは100回以上で人間より長生きだよ。
なぜ細胞分裂の回数が寿命に関係するの?
細胞は、損傷したり老化したりすると、DNAの複製を作成し細胞分裂をする。ところが、この細胞分裂の回数には制限があり、一定数分裂をすると、それ以上分裂できなくなるんだ。
これは生物の染色体の末端にあるテロメアと呼ばれる構造が関係しているんだよ。
ふうん、寿命って最初から決まっているのね。あんた、気の毒に20回しかないのね。
まあ、でも生活環境も寿命の大きな要因の一つだからね。食生活、ストレス軽減、運動・・・こちらは、心がけ次第で改善できるよ。
テロメアとは、染色体の末端にある特殊な構造で、靴ひもの先端のビニール止めのように染色体を保護する役割を果たしています。
ヒトのテロメアは「TTAGGG」という塩基配列の繰り返しで構成され、細胞が分裂するたびに少しずつ短くなります。
この短縮が一定の限界に達すると、細胞はそれ以上分裂できなくなります。
この現象を「ヘイフリック限界」と呼びます。
人間の場合、細胞は約50回前後分裂するとヘイフリック限界に達し、それ以降は老化細胞となります。
テロメアが限界まで短くなると細胞分裂が停止し、これが生物の老化現象の一因と考えられています。
テロメアを伸ばす酵素「テロメラーゼ」も存在しますが、正常な体細胞では活性が低く、幹細胞やがん細胞でしか盛んに働いていません。
2009年にはテロメアとテロメラーゼの発見がノーベル生理学・医学賞を受賞し、寿命研究の重要な鍵として世界的に注目されました。
テロメアの長さは遺伝的要因に加え、ストレスや食生活、運動などの生活習慣でも影響を受けることがわかってきており、老化遅延の新たなアプローチとして期待されています。
出典 :
ノーベル医学賞、寿命をつかさどるテロメアとテロメラーゼ酵素とは?
https://www.afpbb.com/articles/-/2650051
Elizabeth H. Blackburn , Carol W. Greider, Jack W. Szostak のノーベル生理学医学賞の受賞について
https://www.riken.jp/pr/news/2009/20091005/index.html